GDALのインストール

GDALはcondaで簡単にインストールできると書いてあるサイトもありますが、私の環境ではうまくいかず、ちょっとしたコツが必要でしたので、この記事を書きました。

なお、最新バージョンではありませんが、GDALはQGISのOSGeo4W Shellからも利用できます(スタートメニューのOSGeo4Wフォルダの中のOSGeo4W Shellをクリックして起動)。

この記事の手順でGDALをインストールし、使用していましたが、Windowsのアップデートのせいかなにかで、急に使えなくなってしまったので、2022年11月に再インストールしました。その際、記事を執筆した2020年8月当時と変更となっている箇所がありましたので、一部修正しました。

Anacondaのインストール

以下のページを参考に、Windows向けの最新の64Bit版をインストールします。
チェックを付ける箇所がありますが、初期値のままでOKです。
https://techfun.cc/python/anaconda-install.html

GDALのインストール

Windowsボタン▶すべてのアプリ▶Anaconda3(64bit)▶Anaconda Prompt(anaconda3)を右クリックし、詳細▶管理者として実行をクリックします。
黒いウィンドウが起動するので

conda update --all

と入力し(Enterキーを押します。以下同様。)、全てのパッケージを最新版に更新します。
私の環境では、この更新をしていないと、GDALがうまくインストールされませんでした。

次に、

conda install -c conda-forge gdal

と入力し、GDAL をバージョン指定してインストールします。
処理にしばらく時間がかかるので、しばらく待ちます。
なお途中、Proceed ([y]/n)? と聞かれますので、Enterを押して進みます。


※この記事を当初執筆した時点(2020年8月15日)のGDALの最新版は3.1.2でしたが、3.1.2をバージョン指定してもインストールすることができなかった(failed ~、Solving environment などと表示されて一向にインストールが終わらない。conflictというらしい。うまくインストールできる場合は数分で終了する。)ので、一つ前のバージョンである3.1.1を以下のコマンドでインストールしました。
 conda install -c conda-forge gdal==3.1.1
記事を改定した時点では、バージョン指定なしですんなりインストールできました。

処理が終了したら、

gdalinfo --version

と入力し、正しくGDALがインストールされたこととそのバージョンを確認します。

gdal2tilesを使えるようにする

上記手順でGDALをインストールしただけでは、gdal2tilesが使えませんでした。
gdal2tilesを使えるようにするには、
https://github.com/OSGeo/gdal/blob/master/gdal/swig/python/scripts/gdal2tiles.py
にアクセスし、Raw(コードが書かれている部分の右上あたり)を右クリックして、名前を付けてリンク先を保存します。
※2022年11月時点で、上記URLからgdal2tilesをダウンロードできない状況となっています。gdal2tiles.pyで検索し、github上の他のページからダウンロードしてください。
保存先は、C:\Users\(ユーザー名)の直下とします。

次に、Windowsボタン⇒Anaconda3(64bit)⇒Anaconda Prompt(anaconda3)を起動し、

setx PROJ_LIB "C:\Users\(ユーザー名)\anaconda3\Library\share\proj"

と入力します。これでgdal2tilesが使えるようになります。

補足

GDALをインストールするためのコマンドについて

Anaconda Cloudのページを見ると、GDALをインストールするためのコマンドが6種類書かれています。

conda install -c conda-forge gdal
conda install -c conda-forge/label/cf202003 gdal
conda install -c conda-forge/label/gcc7 gdal
conda install -c conda-forge/label/broken gdal
conda install -c conda-forge/label/TEST gdal
conda install -c conda-forge/label/cf201901 gdal

最新版をインストールするためには、一番上に書かれている、labelの記載のないコマンドを利用します。
それぞれのコマンドを利用したときにインストールされるバージョンは、Labelsのタブに書かれています(mainと書かれているのが一番上のコマンドを利用した場合)。

インストールする際のバージョン指定について

インストールする際にバージョンをしていないと、なぜか古いバージョンがインストールされたり、うまくインストールされなかったりしたため、バージョンを指定してインストールしました。

GDALの最新バージョンは、Labelsのタブに記載されています。

執筆時点での最新バージョン3.1.2を指定してもうまくインストールできませんでしたので、一つ前のバージョンを指定したらうまくインストールされました。

インストールしているpythonやパッケージのバージョンなどによって、利用できるGDALのバージョンが違ってくると思いますので、まずは最新版を指定してみて、うまくいかない場合は一つ前のバージョンで試してみるといいと思います。

それでもうまくいかない場合は、
・更にGDALのバージョンを下げる
・pythonのバージョンを一つ下げる(仮想環境を構築)
・labelの記載された別のコマンドを利用する
などを試してみてください。