全国Q地図MapLibre版(地形表示機能)

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オープンソースの地図ライブラリであるMapLibre GL JSを使った「全国Q地図MapLibre版」は、2024年1月7日に公開を開始し、現在、地形表示に特化して順次、機能追加を進めています。

全国Q地図MapLibre版でできること

航空レーザによる詳細な標高データを使って、様々な地形表現ができるため、とにかく地形がよく分かります。

1 地形を立体的に表示できます

地形の立体表示と平面表示を切り替えられます。

2 等高線や段彩図、陰影図、傾斜量図を表示できます

標高データから等高線や段彩図、陰影図、傾斜量図を生成して表示できます。

3 地形表現に利用する標高データの切り替えが可能です

立体的表示や等高線などの表示に利用する標高データの切り替えが可能です。

操作方法

地図の傾き(俯角、pitch)を変えるには

方法1 パソコンの場合、Ctrlキーを押しながらドラッグします。

方法2 右上の方位マークをクリックして上下にドラッグします。

方法3 サイドパネルのスライドバーを左右に動かします。

地形を立体的に表示するには

右上の山マークのアイコンをクリックすると、アイコンが水色に変わり地形が立体的に表示されます。

利用できる標高データ

サイドバーで地形表現に利用する標高データを選択できます。ここで選択した標高データは、立体表示、段彩図、傾斜量図、陰影、等高線の描画に利用されます。

選択のポイント

  • メッシュが細かいものほど、細かな地形が表現されています。
    例 5mメッシュより1mメッシュの方が細かな地形まで表現されています。
  • 写真測量によるものより、航空レーザ測量によるものの方が高精度です。
  • 全国を網羅しているものと一部地域のみのものがあります。
    産総研統合と地理院10Bは全国を網羅しています。航空レーザに限ると、Q地図5Aが最も広範囲をカバーしています。

一覧

  • 産総研統合 複数のデータソースを合成した陸域統合DEM。産業技術総合研究所が提供するもの。詳細
  • 地理院10B 地形図の等高線による10mメッシュDEM。国土地理院が提供するもの。詳細
  • Q地図5A 航空レーザ測量による5mメッシュDEM。国土地理院の基盤地図情報を使用して全国Q地図で独自に作成したもの。2024年1月31日時点のデータを使用しており、地理院5Aよりも広範囲をカバーしている。詳細
  • 地理院5A 航空レーザ測量による5mメッシュDEM。国土地理院が提供するもの。詳細
  • 地理院5B 写真測量(地上画素寸法20cm)による5mメッシュDEM。国土地理院が提供するもの。詳細
  • 地理院5C 写真測量(地上画素寸法40cm)による5mメッシュDEM。国土地理院が提供するもの。詳細
  • Q地図1A 航空レーザ測量による1mメッシュDEM。国土地理院の基盤地図情報を使用して全国Q地図で独自に作成したもの。詳細
  • 能登DSM 写真測量による地震後のDSM。国土地理院が提供するもの。詳細
  • 能登東部 航空レーザ測量による地震前の1mメッシュDEM。全国Q地図で独自に作成したもの。詳細
  • 能登西部 航空レーザ測量による地震前の1mメッシュDEM。全国Q地図で独自に作成したもの。詳細

全国Q地図の活用場面(例)

自宅などの正確な標高を知りたい

例:田川警察署英彦山駐在所(福岡県田川郡添田町)の標高を調べる。

  1. 調べたい場所に移動する
  2. 標高データとして、航空レーザによる「Q地図5A」を選択する。
  3. 等高線を表示し、建物の標高を読み取る。

この場合は、630.5m~632.5mの等高線の間に建物があります。
Googleストリートビューで確認できる現地の様子とあわせて、標高は約632mと読み取れます。

登山コースの下調べをしたい

(作成中)

山の正確な標高を知りたい

例:地形図に三角点、標高点が表示されていない、英彦山中岳(福岡県田川郡添田町・大分県中津市)の標高を調べる。

  1. 調べたい場所に移動する
  2. 標高データとして、航空レーザによる「Q地図5A」を選択する。
  3. 等高線を表示し、最も高い場所の標高(最も内側にある閉じた等高線の標高)を読み取る。

この場合、最も高い等高線は1188.5mです。
よって、英彦山中岳の標高は約1189mと分かります。
注意点 尖った地形の山や、露岩の上が最高地点の山などでは、実際の標高より読み取った標高が低くなる場合があります。

滝を探したい、滝の落差を知りたい

例:清滝(大分県竹田市)の場所を調べる、落差を調べる

大分県竹田市に清滝という滝があります。
地形図に滝の記号( |: )はありませんが、崖記号や等高線の混み方から、おおよその場所は推測できます。

航空レーザ測量によるデータを使えば、正確な滝の場所と落差を知ることができます。

  1. 調べたい場所に移動する
  2. 標高データとして、航空レーザによる「Q地図5A」を選択する。
  3. 等高線を表示し、滝の場所(等高線が密になっている場所)と落差(等高線が密になっている部分の下端と上端の標高差)を読み取る。

正確な標高が分かる航空レーザ測量のデータを使えば、滝の場所が一目で分かります。また、この滝の場合、653~689mの等高線が密になっていることから、落差は約36mと分かります。

今回は、すでに知られている滝について見ていきましたが、同じ方法で未知の滝を探すことも可能です。

現地の様子(2023.11撮影)

等高線の見方を学習したい

全国Q地図MapLibre版では、等高線を表示させた地図を立体表示できますので、等高線の見方を自然に理解できるのではないでしょうか。等高線学習の教材としても御利用ください。

空中写真では樹木に隠れて見えない道(登山道)の場所を知りたい

空中写真(オルソ画像)では、樹木に覆われた場所でも、航空レーザ測量による標高データ、特に1mメッシュのものを使うと、道の場所が分かります。

  1. 調べたい場所に移動する
  2. 標高データとして、航空レーザによる「Q地図1A」を選択する。
  3. 段彩図、傾斜量図を表示する。

空中写真では見えなかった道の存在がはっきりと分かります。

なお、見つかった道が現在通行できる状態かどうかは分かりません。逆に言えば、車道の発達により使われたなくなった古道を探すこともできます。

調査・研究で細かく地形を見たい

(作成中)

ソースコード

ソースコードをMITライセンスでGitHubで公開しています。

作成に当たっては、以下のライブラリ、コードを使用しました。お礼申し上げます。