東京都1:3,000地形図~独自に東京の古い地図を公開中~

東京都1:3,000地形図の閲覧はこちら

東京都が1952年(昭和27年)-1970年(昭和45年)に作成した1:3,000地形図1,525面を、測量法に基づく東京都知事の複製承認を得て、2022年10月8日から全国Q地図で公開しています。

今昔マップなどで閲覧できる国土地理院の1:25,000地形図に比べて年代は限定されますが、詳細な地形図です。

本ページでは、この東京都1:3,000地形図について紹介します。

東京都1:3,000地形図で分かること

高度経済成長前~高度経済成長期の東京の様子が詳細に分かります

一つ一つの建物、1本1本の道路が描かれた詳細な地形図で昔の東京の様子が分かります。

図 建物の表現。一つ一つの建物が表現され、主要な建物には記号や名称注記が付されている。
図 建物の表現。「K.K.」は株式会社の略。
図 首都高速道路が建設される前の日本橋。

等高線と標高点などで地形が分かります

図 等高線の間隔は主曲線1m、計曲線5m。トラバー点は現地測量による標高点、独立標高点は写真測量による標高点。

地名(大字・町名、小字)や境界が分かります

大縮尺の地形図なので、大字・町名はもちろんのこと、小字の名称まで注記があります。さらには、大字・町名、小字の境界も表示されています。

図 都市部での地名の表現。
図 郊外での地名の表現。大字に加え、小字やその境界まで明示されている。

1962年(昭和37年)に住居表示法が施行され、従来の大字・町名の変更がなされました。東京都1:3,000地形図では住居表示実施前の町名が分かります。作成年が古いレイヤーで確認してください。

現在の港区六本木五丁目・六丁目付近。住居表示実施前の地名である、麻布材木町、北日ヶ窪町、鳥居坂町、東鳥居坂町などといった町名が記載されている。

その他、通常の地形図同様、川や橋、道路の名前も表示されています。

盛土の規模・深さが分かります

宅地造成前の地形が確認できます。ハザードマップポータルサイト内の大規模造成地レイヤーと組み合わせ、更に画面下部に表示される標高と比較することで、盛土の深さも分かります。

画面中央の十字マークの盛土の深さは約17.0mと分かる。(現在の標高76.7mー造成前の標高59.72m)

修正前後の地形図の比較で、開発・発展の様子が分かります。

東京都1:3,000地形図は、初期整備後、数年おきに修正が行われています。全国Q地図では、8つのレイヤーに区分して年代ごとに公開しているので、修正前後の地形図を比較することが可能です。

山が切り開かれ、鶴川団地が造成された。左:1952-1958年レイヤー、右:1969-1970年レイヤー

都電(路面電車)の経路・停留場が分かります

都電(東京都電車)と呼ばれた路面電車の軌道、停留場が表示されています。

軌道を間断して表示される小円(小さな点)が停留場、軌道に平行に表示された太線が安全地帯を示す。

東京都1:3,000地形図の記号

公共測量標準図式にはない記号が一部使われています。以下のPDFで確認してください。

東京都1:3,000地形図 凡例

東京都1:3,000地形図以外の古い地形図

東京都1:3,000地形図とは、異なる年代、異なる縮尺の地形図を見たいときは、以下の地図を参照してください。

関東地方迅速測図

閲覧はこちら

縮尺:1:20,000 測量年:1880年(明治13年)~1886年(明治19年) 作成:陸軍参謀本部

※この地図は、農研機構作成の地図タイルを複製して配信しているboiledorange73@sakuraから地図タイルを読み込んで表示しています。

解説:第一師管地方2万分1迅速測図(原図)
この地形図は、2万分1地形図の全国測量の第一歩として、関東地方一帯を迅速測図法によって作成された測量原図の一部である。2万分1迅速測図は明治13年に着手されたが、同19年に完了するまでの間の測量範囲の面積は約15,610km2、原図面数は852面に及んだ。これは近代的測量方法によって広い地域を測量した地形図としては、わが国で最初のものである。
この測図原図は明治13年式図式に基づき、彩色を加えられた色彩豊かな地形図原図となっている。原図によっては図郭外に目標物のスケッチがそえられているため、一層当時の景観をうかがうことができる。(中略)
なお、図中において、家屋は木造家屋を黒色で、かん工製家屋を紅色で表現されている。垸工製とは煉瓦や石積を指すが、原図上から判断すると土蔵等も含まれているようである。
(解説文:建設省国土地理院「地形図集」『国土地理院技術資料』C・1-No.132、1984年 から引用)

東京図測量原図

閲覧はこちら

縮尺:1:5,000 測量年:1883年(明治16年)-84年(明治17年) 作成:陸軍参謀本部

※この地図は、農研機構作成の地図タイルを複製して配信しているboiledorange73@sakuraから地図タイルを読み込んで表示しています。

解説:5千分1東京図(原図)
この図は、皇居を中心とする東西南北約7.5km四方の地域について、迅速測図の特殊版として作成された5千分1東京図の原図である。この測量は明治9年に着手されたが西南の役のため中断し、明治16年に再開されて翌17年に完成している。
この原図は、明治13年式図式による極めて色彩豊かな地形図である。この彩色には当時の職業画家としても著名な人達が加わったので美術的にも価値の高い図であるといえる。また、家屋や庭園などの相当細部にわたる描写には明治初期の景観がよく表現されている。
(解説文:建設省国土地理院「地形図集」『国土地理院技術資料』C・1-No.132、1984年 から引用)

今昔マップ

閲覧はこちら ※レイヤーで年代切り替え可

縮尺:1:25,000(一部1:20,000、1:50,000) 測量年:1890年代-2000年代 作成:国土地理院、地理調査所、陸地測量部

※この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)で配信されている地図タイルを読み込んで表示しています。

その他

地形図ではありませんが、全国Q地図・地理院地図では、古い空中写真(簡易オルソ)の閲覧が可能です(例:1936年~1942年頃)。

参考文献

東京都1:3,000地形図について、より詳細に知りたい場合は、元東京都職員の方が書かれた以下の記事が参考になります(J-STAGEで全文読めます)。

千歳壽一「都市計画基本図としての東京都三千分一地形図の作成 経済大国の首都東京形成の基礎地図はいかに作られたか」『地図』46巻3号、日本地図学会、2008年、J-STAGE