全国Q地図では、2025年6月22日から全国の赤色立体地図、CS立体図などの地形表現図の閲覧ができるようになりました。
すぐに地図を見たい方はこちらのリンクから
赤色立体地図:シームレス標高タイル(陸域統合)、基盤地図情報1mメッシュ
CS立体図:シームレス標高タイル(陸域統合)、基盤地図情報1mメッシュ
斜度(傾斜量)図:シームレス標高タイル(陸域統合)、基盤地図情報1mメッシュ
※上記のほかにも基盤地図情報5m・10mメッシュ、栃木県、東京都、神奈川県、富山県、石川県、山梨県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、愛媛県、高知県、長崎県のデータが閲覧できます。全国Q地図トップページ→「地図」→「4.地形」と進んで、標高のデータの種類を選んでください。

全国Q地図でできること
- 全国の赤色立体地図やCS立体図、斜度(傾斜量)図がブラウザ上でシームレスに閲覧できます。
- 航空レーザ測量による5m、1m、0.5m、0.25mメッシュを使用した赤色立体地図等が閲覧できます(メッシュ間隔は、エリアによります。航空レーザ測量によるデータが未整備のエリアもあります)。
- 描画に使用する標高データ(標高タイル)の切り替えが可能です。
- 国土地理院の基盤地図情報(標高)1mメッシュや、産総研のシームレス標高タイル、林野庁・都道府県のデータを選択可能です。
- 全国Q地図で閲覧可能な他のレイヤー(例えば過去の空中写真や法務局公図)と自由に重ね合わせて表示可能です。
- 出展を明示すれば、SNS、ブログ、Webサイト、書籍、雑誌、新聞、テレビ等に利用可能です。
赤色立体地図について
赤色立体地図は、傾斜が急な面が赤く、尾根は明るく谷が暗くなるように表現した地形表現手法です。等高線が読めなくても直感的に誰でも地形を理解でき、等高線では表現が困難な微細な地形の起伏も表現できるという特長があります。
この技術は、2002年に開発され、アジア航測株式会社が特許を保有していましたが、この特許の期限満了により、現在は自由に利用可能となっています。すばらしい地形表現手法を発明いただいたアジア航測・千葉様に深く謝意を表します。
※赤色立体地図に関する特許は複数あり、一部の特許は現在も有効ですが、全国Q地図では現在も有効な特許技術は使用していません。
CS立体図について
CS立体図は、地形の曲率(Curvature)と傾斜(Slope)を組み合わせた立体表現です。尾根が赤く、谷が青く表現されます。
技術的な仕組み
本機能は、標高値をRGB値として記録した地図タイルである「標高タイル」をもとに、ブラウザ上で演算を行って赤色立体地図等の画像を生成する仕組みを採用しています。

※上図中の立体表示については、全国Q地図MapLibre版で可能です。
全国Q地図での閲覧メリット
- ほかにも赤色立体地図が閲覧できるサイトはありますが、全国の赤色立体地図等が閲覧でき、かつ、航空レーザ測量による詳細なデータが利用可能であるという点において、おそらく全国一のサイトと考えています。これは、標高タイルから赤色立体地図等を描画する仕組み、すなわち、標高タイルさえあれば赤色立体地図等を表示できるという仕組みを採用しているためです。
- 赤色立体地図を他の地図レイヤーと重ね合わせて表示できます。
- 距離計測や作図も可能です。
Q&A
Q1: 利用料金はかかりますか?
A: 赤色立体地図、CS立体図、斜度図の閲覧は無料です。
ただし、全国Q地図は、個人が趣味で運営している非営利のウェブサイトです。このサイトを継続的に運営していくためには、サーバー利用料、パソコンや記録媒体の更新、地図データの整備など、さまざまな経費が必要となっています。より良いサービスを提供し続けられるよう、皆様からのご支援を受け付けております。全国Q地図をサポートする(クレジットカード決済)
Q2: どのデバイスで利用できますか?
A: PC、スマートフォン、タブレットなど、Webブラウザが動作するデバイスでご利用いただけます。
ただし、WebGLが使用できない古い端末では表示できません。
Q3: 表示した地図画像を印刷・保存できますか?
A: 印刷機能によりは印刷は可能です。画像保存は、端末のスクリーンショット機能を利用ください。
※本サイトの画像保存機能は 赤色立体地図等では、現在利用できません。
Q4: 閲覧可能な地域は?
A: 日本全国の地図を閲覧できますが、利用可能な標高データはエリアによって異なります。
また、高解像度ではないものの、シームレス標高タイルを使って、世界の赤色立体地図(海底地形含む)も表示可能です。
Q5: 赤色立体地図の権利関係は問題ありませんか?
A: アジア航測株式会社が保有していた特許の期限が満了しているため、権利上の問題はありません。
Q6: データの更新頻度は?
A: 新たな標高タイル(数値PNGタイル)が整備されれば、本サイトでも順次反映予定です。
想定される活用分野
防災
- 土砂災害危険箇所の確認
- 洪水浸水想定区域と微地形の関係把握
- 避難経路の地形確認
考古学・歴史研究
- 遺構・古墳の探索
- 古道の痕跡調査
土木・建設
- 工事計画地の地形確認
- 切土・盛土の検討
- アクセス道路の計画
登山
- 登山ルートの地形確認
教育・研究
- 地理教育での活用
- 研究対象地域の地形特性把握
- フィールドワークの事前調査
おわりに
全国Q地図の赤色立体地図・CS立体図・斜度図機能は、高解像度の標高データを活用し、ブラウザ上でリアルタイムに地形を可視化します。
他のレイヤーとの重ね合わせ機能により、様々な用途での活用が可能です。ぜひご利用ください。